自民党の新党則がヤバイ

木原誠二・前官房副長官。週刊文春との死闘など忘れたかのように元気一杯だった。=17日、都内ホテル 撮影:田中龍作=

 自民党大会がきょう17日、都内のホテルで開かれた。田中は日本にいれば同大会を取材するようにしている。政権政党の最大重要行事だからだ。

 そこは無法地帯だった―

 まず目に飛び込んでくるのが裏金議員のオンパレードだ。まったく悪びれた風もない。カルトと掛け持ちの議員も相当数いる。

 つい数ヶ月前まで週刊文春と死闘を繰り広げていた木原誠二前官房副長官は、肩で風を切って歩いていた。

 妻の関与が取り沙汰されている殺人事件で警察に圧力を掛けて揉み消したとまで書かれた。政治家が殺人事件まで捻り潰せるとは、どこの暗黒国家だろうか。

セクシー宴会に党青年局長代理として出席していた中曽根康隆議員。=17日、都内ホテル 撮影:田中龍作=

 セクシー宴会の最高責任者だった党青年局長代理(当時)は軽やかな足取りで、カメラの前を通り過ぎて行った。

 ヤバさ満点の自民党大会のなかで最もヤバかったのが、党則の新設が了承されたことだ。下記が党規律規約第23条の5として新設された。

 「会計責任者が政治資金規正法違反により逮捕・起訴された時は、当該議員が処分される」。

 田中は反射的にリクルート事件で起きた悲劇を思い出した。竹下登首相が捜査線上にあった際、東京地検の事情聴取をその日受ける予定だった秘書の青木伊平氏が自死を遂げたのである。

 死亡した秘書や会計責任者は、逮捕も起訴もできない。議員を庇うために、あるいは議員まで処分されないように、秘書や会計責任者が自らの命を絶つ・・・竹下首相の秘書がそれを教えている。何者かによって秘書が闇に葬られることも十分ありうる。

 新設された党則は危険性をたっぷりと孕んでいるのである。自民党らしいと言えばそれまでだが。

裏金工作の渦中にいた安倍派幹部の西村前経産相。ごらんの通り屈託のない笑顔だ。=17日、都内ホテル 撮影:田中龍作=

 ~終わり~

 

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