入管法改悪を阻止しようと委員長席にダイブした山本太郎への懲罰は回避された。
マスコミ報道によると、議運の石井準一委員長(自民)は「(山本本人も)反省している」として懲罰を見送った理由を説明した、という。
ところが山本に聞くと「『反省している』とは一言も言ってない」という。
「むしろ自民党の先生たちから『大変だね』など声を掛けられると『(懲罰を)楽しみにしてます』と答えていた」と明かした。
自民党が山本を懲罰に付すことができなかったのは、選挙への影響と世論だった。
マスコミよりも確度が高いとされる自民党の獲得議席予想によると「自民42議席減、れいわ3議席増」だったのである。
改悪入管法に取り組んでいた弁護士たちが山本への懲罰動議に反対する署名活動を展開したことも社会の反響を呼んだ。
もし山本を懲罰に付したら、れいわはさらに議席を伸ばすだろう。自民は世論の批判を浴びる。懲罰を見送った理由ではないだろうか。
田中は「今後の国会で再び体を張らなくてはならない局面が訪れたら、また体を張るか?」と聞いた。
山本は「状況しだい」と前置きしながらも「消費増税などしようものならダイブでは済まない」と答えた。
懲罰が可決されていたら、山本は弁明演説をしなければならなかった。原稿を準備していた。原稿は山本のツイッターに添付されている。内容は―
多数派が数の力を頼りに目障りな議員を終わらせることができ、冤罪を作り出すことも可能・・・議会制民主主義も何もあったもんじゃない国会のお粗末さ恐ろしさが赤裸に綴られている。
田中は「本会議で弁明演説をしたかったのではないか」と水を向けた。
「やりたかった。脳から汁が出るほど」。山本は実に悔しそうに答えた。
国会の現状を見ると、悪法を止めるために山本が身を挺する場面がまた訪れそうだ。
「ハマコーが100人いたら」とする仮説があるが、山本太郎が100人いたら国会の景色は変わっていただろう。庶民の生活がここまで破壊されることはなかった。
~終わり~
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