在留外国人の強制送還を容易にする入管法改正(改悪)法案が、昨日7日、閣議決定された。
世界に恥ずべき非人道的な改正(改悪)法案の廃案を求めて、当事者の在留外国人、学生、市民がきょう衆院会館前で集会を開いた。
改正(改悪)案のキモは難民申請の上限を2回としたことだ。これまでは無制限だった。
申請中は強制送還できなかったが、申請回数を2回までとしたことで早期の強制送還が可能となる。
日本の難民認定率は諸外国の基準と比較して極端に低い。本国で迫害を受け命からがら日本に逃れてきた人々にしてみれば、死刑宣告にも等しいのである。
廃案を求める集会会場の衆院会館前で当事者たちの話を聞いた。
ミャンマーから1996年に日本へ逃れてきたミョー・チョー・チョーさん(37歳)はロヒンギャである。
イスラム教徒のロヒンギャは、仏教徒のミャンマー政府から迫害を受け、100万人超が隣国のバングラデシュなどに逃れている。国軍により村を焼かれ、虐殺されるなどした。
バングラデシュの難民キャンプでロヒンギャたちは、田中に「ミャンマーに強制送還されるくらいならここで死んだ方がマシ」と口々に語った。
ミョーさんはすでに難民申請を3回しており、いずれも却下されている。改正法案が可決成立したら、ミョーさんは強制送還の対象となる。帰国後の扱いは火を見るより明らかだ。
強制送還拒否者の大多数は、ミョーさんのように生き死にに関わるような深刻な事情を抱えている。
政府当局は早期に強制送還したい理由として、難民がテロや犯罪を引き起こす可能性がある、としているが笑止である。
日本は低賃金で将来も絶望的なことから海外で職を求める人が増加している。もし海外でひどい扱いを受けた場合、異論を唱えるのは難しくなるだろう。
「お前の国(日本)はもっとひどい待遇じゃないか」と言われて。
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