【ウクライナ発】マリウポリ攻防の戦死者に市民が花束

飼い主を失った猫を大事そうに抱くウクライナ兵。すでにこの世にいない。=16日、キーウ市 撮影:田中龍作=

 確認されているだけでも市民8万7千人が死亡。バスでロシアに連行された住民も数えきれない。街は跡形もないほど粉々に破壊されている・・・ロシア軍のマリウポリ攻撃は酸鼻を極めた。

 最大の激戦地となったマリウポリを守ろうとして戦死したウクライナ兵154人の遺影がソフィア広場に並べられた。
(主催:キーウ市)

 154人はいずれもアゾフ大隊所属だった。そう。根も葉もないロシアのプロパガンダで言うところのネオナチである。

 軍隊出身者によれば「ネオナチなんて聞いたことがない」と否定する。

 ウクライナ軍は正規軍と治安機能を備えた軍隊である「ナショナルガード」から成る。アゾフ大隊はこのナショナルガードの一部隊なのである。

 正規軍もナショナルガードもアゾフ大隊も給料は国家から出て給与体系は同じだ。

二人の女性は花束から花を一つひとつ抜き取って遺影に飾って回った。=16日、キーウ市 撮影:田中龍作=

 ナチスドイツに攻め込まれたソ連は第2次世界大戦で最大の犠牲者を出した。その数2千万人とも3千万人とも云われる。

 ロシア国民に根強いナチへの敵意をプーチン大統領は利用したのである。

 そのプロパガンダは、ユダヤ系のゼレンスキー大統領までネオナチ呼ばわりするありさまだ。中学生でもわかる矛盾ではないか。

 あまりに馬鹿げたロシアのプロパガンダなのだが、日本では公党の国会議員まで刷り込まれるありさまだ。

 友人の遺影を前に青年がポツリと言った言葉を日本のナイーブな国会議員に聞かせたかった。

 「彼らの犠牲がなければ私たちは今ここにいない」。

「やさしい男だった」。男性は親友の遺影の前に立ち尽くしていた。懸命に涙をこらえているようすだった。=16日、キーウ市 撮影:田中龍作=

  ~終わり~

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核搭載が可能なロシア軍の戦略爆撃機がカスピ海上空からミサイルを発射しました。

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