「学術会議への人事介入」に抗議してハンストを続ける菅野完が、きょう夕方、官邸前の横断歩道を渡ろうとしたところ、警察官に阻止された。
「渡れる、渡れない」を判断するのは警察(具体的には麹町署)だ。政権に批判的と見られる人物は実力で止められる。
菅野が「ここ(官邸前)でプラカードを持った人は渡れるか?」と尋ねると、警察は「内容による」と答えた。明らかな検閲である。
菅野が畳みかけるように「菅首相マンセー(万歳)。これだったら通れるか?」と迫った。菅野らしいトンチである。「バンザイ」ではなく「マンセー」としたのである。
驚いたことに警察官の一人が「私、個人的にはOKです」と答えた。
現場は一気に緊迫した。菅野は10月2日からハンストを続けているとは思えないほど気力をみなぎらせた。ボードに「スガ首相マンセー」と書いた。そして警察の制止を振り切り、官邸に向けて横断報道を歩き出したのである。
菅野は10mほど歩いたところで警察官たちに阻まれた。菅野が本気なだけに警察もあらゆる手で止めようとした。警察官の一人が「転び公妨」までしようとしたのである。
「転び公妨」とは、警察官自らが転んでみせて、逮捕したい相手の仕業にしてしまう手法だ。警察の常套手段でもある。
警察の思想弾圧が、可視化される場所が官邸前なのである。菅政権らしいと言えば、それまでだが。(文中敬称略)
~終わり~