毎月3日、国会議事堂前で暴政に抗議するスタンディングが始まったのは5年も前のことだ。毎月3日としたのは憲法記念日が「5月3日」であることなどによる。
当時、安倍政権は憲法9条の解釈を勝手に変更して集団的自衛権の行使を可能にしようとしていた。そして思い通りになった。
安倍首相が先月28日、辞意を表明した。それでも、きょう3日は170人が国会議事堂前に「アベ政治を許さない」と書かれたプラカードを持って集まった。
作家の澤地久枝さんが呼びかけ人だ。抗議運動が始まった頃、澤地さんは元気にプラカードを持ってスタンディングしていたが、今では車イスに乗っての参加となった。安倍政権の歳月の長さを感じずにはいられなかった。
田中が「安倍政権がやっと倒れましたね」と水を向けると、澤地さんはウンザリした表情で「長すぎた」とポツリ。
「『アベ政治を許さない』運動を今後どうしますか?」と聞くと「皆で決めたらいい」と答えた。
約170人の多数決を取ったところ、圧倒的大多数で「アベ政治を許さない」運動の継続が決まった。
情勢によって「アベ『的』な政治を許さない」などと文言を微妙に変えることも決まった。
澤地さんの言葉が事態の深刻さを物語っている―
「アベ政治はスガによって拡大されて悪くなる。選挙民の声がどこにありますか? 私たちが思うような総理が誕生すれば、私たちの運動の成果ですが、形勢はそうではない」。
スタンディングのメンバーである作家の落合恵子さんは開口一番「私たちで(安倍を)引き摺り降ろせなかったことが悔しい」。そして「負のレガシーを問い直さなければならない」と呼びかけた。
「アベ政治を許さない」運動はまだまだ続きそうだ。
~終わり~