ブラックジャーナリストもどきの記事は書きたくないのだが、過去に有権者を欺いたことを反省しないばかりか、他人に責任をなすり付ける政治家の言辞は、しっかりチェックしておく必要がある、と思い本稿に着手した。
立憲民主党の福山幹事長が25日の定例記者会見で興味深いことを話していた。宮城の石垣のりこが演説で「消費税は下げたい。(しかし)すぐにできるとは限らない。財源含めて考えなきゃならない、と言った」(福山幹事長発言ママ)というのだ。
田中もその一人だが、多くの有権者は、「消費税は廃止」で選挙戦を貫いた石垣の演説を、記憶に刻印しているのではないだろうか。
福山幹事長に同行していたわけではないし、当日の音声付映像を見たわけでもないので、真偽のほどは不明だ。
さすがは「2030年代までに原発ゼロを目指す」などという騙しの名文句を掲げた民主党出身だけある。
山本太郎の人気にあやかりたい立憲は、「れいわ」との提携に意欲を示す。だが山本は「消費税5%」を頑として譲らない。
山本を何とかして獲り込みたい立憲はこう切り出すだろう。「将来的には消費税5%にしますから」と。
山本は首をタテに振らないに決まっている。すると「可能な限り早く5%にします」などと甘言を並べてくるだろう。
「消費税は すぐに 5%」の念書でも書かない限り、大臣ポストを条件に出しても山本太郎は籠絡できない。
山本の頑固さがよく分かるエピソードがある―
2012年の衆院選で某野党から誘いがあった。重複立候補ができるため比例復活で当選できるのだ。それでも彼は無所属に こだわった。
田中は山本本人に「原発反対の議員が一人増えることになるのだから、A党から出た方がいい」と説いた。
山本はこう答えた。「原発だけじゃなくて僕には他にやりたい政策がありますから。A党じゃ、それができないんです」と。他の政策とは今にして思えば貧困問題だったのである。
石原伸晃の東京8区から無所属で立候補した山本太郎は落選した。まだ民主党が政権の座にあった年の選挙だった。
その時、山本の立候補先の選択肢として、枝野経産相(当時)の埼玉5区や野田首相(当時)の千葉4区があった、とされる。
原発を再稼働させ、有権者を欺いて消費税増税のお膳立てをした2人に、山本は一矢報いたかったのである。
立憲が山本を籠絡するのは、ラクダを針の穴に通すのと同じくらい難しい。(敬称略)
~終わり~
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