自民党総裁選直前の昨年8月、記者クラブメディアが「(6月は)21年ぶりの記録的な伸び」と一斉に報じた2018年の実質賃金伸び率―
「数字を改善するように」とする麻生財務大臣の事実上の指示を受けたイカサマの統計結果だが、この指示が出てからは、学識経験者などからなる「勤労統計の改善検討会」が開催されなくなっていたことが、きょう2月1日、分かった。厚労省が認めた。
正式名称「毎月の勤労統計の改善に関する検討会」は、麻生大臣の方針とは逆の見解を示していた。検討会は麻生大臣の鶴の一声(※)が飛び出す直前まで、4ヵ月に6回のペースで開催されていたにもかかわらず、だ。
検討会がなくなったばかりでない。鶴の声直前3回の議事録が陽の目を見ていないのだ。4年前の会議の議事録である。厚労省のHPを見ると、それ以前の検討会はしっかり公表されている。
野党議員たちは「議事録を出すよう」厚労省に求め続けている。同省の屋敷次郎・大臣官房参事官によれば議事録は手元にあるという。参事官は出せない理由を「チェックが済んでないため」と説明した。
元厚労大臣の長妻昭議員によると検討会の委員たちは「早くチェックを済ませて(HPにアップして)くれ」と厚労省に催促しているのだそうだ。
4年前の会議の議事録のチェックが済んでいないはずがない。麻生大臣の鶴の一声が出る直前の会議だから、表に出せないだけではないだろうか。
議事録を改竄したりしたら モロばれ となる。委員たちがチェック前のオリジナルを持っているからだ。
麻生大臣の鶴の一声があったことを裏づける議事録が出てきたら、「アベノミクス偽装」は限りなく黒に近い灰色となる。
※
麻生大臣の鶴の一声は2015年10月15日、首相官邸4階の大会議室で開かれた経済財政諮問会議で飛び出した。会議の議長は安倍晋三首相だった。
学識経験者などからなる「毎月の勤労統計の改善に関する検討会」は、政治的意図の入る調査方法に反対していた。麻生大臣の方針とは逆だったのである。
~終わり~
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