任期満了に伴う銚子市長選挙がきょう、告示された。返り咲きを狙う元市長の野平匡邦、現職で2期目を目指す越川信一、前市議会議員の椎名亮太、以上3氏が立候補した。
加計学園・千葉科学大学は2004年、銚子に開学した。誘致したのが野平匡邦市長(当時)である。
野平候補は街頭演説で「大学誘致、イオンが来た。好ましい循環が起きている」と誘致の効果を強調した。
銚子市はメインキャンパスの土地を加計学園に無償貸与(本部キャンパスは売買)、上物の建設費用として77億5千万円を援助した。
銚子市にとっては巨額の投資だった。財政規模のほぼ3分の1にもあたることから反対運動が起きたほどだった。
それから13年。大学誘致が期待していたほど銚子市を潤わせていないことが、今年の3月定例市議会で明らかになった。大学誘致派の市議会議員の質問に市側が答えた。
・平成27年度の税収(大学があることによる増収分)は約2億6,700万円。
・公債費(1年に支払う市の借金)は約4億3,300万円。
大学誘致は税収面だけでみれば1億6,600万円の赤字となるのである。
市政をあずかり財政再建に追われる越川候補。田中は大学誘致の影響について聞いた。越川氏は「年4億円の(借金)返済、市の負担なしで(誘致できるので)あればいいが。どんな効果があるのか?」と渋い顔で答えた。
銚子の実情を知ってか知らずか。加計学園の誘致で揺れる今治市の菅良二市長は、大学に期待を寄せる―
「人口減少の中、松山市と今治の違いは松山には愛媛大学、松山大学があること。それが6年制の大学を誘致できた。その方向に思い切って決断すべきではないか。前を向いて進んで行きたい」
愛媛県が金を出さなかった場合、今治市は132億円(土地の無償譲渡も含めて)を加計学園誘致のために投じることになる。
加計学園と今治市による住民説明会があった11日、会場を訪れた男性(50代)がいみじくも語った。
「132億円あったら、空き家バンクを作ってIターンをしてくる人への住宅政策にしたり、子どもの医療費を無償化したりできる・・・今治は銚子と同じようになるんじゃないか」。
~終わり~
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