国会議員5人を擁し政党要件を満たしていながらNHKの討論番組から外された「生活の党と山本太郎となかまたち」。
納得の行く説明を求めて山本太郎共同代表と玉城デニー幹事長がきょう、渋谷のNHK放送センターを訪れた。
一国の世論を支配する巨大放送局に着くなり、玉城幹事長は「雪の日にNHKに討ち入りだな」と力を込めた。山本代表は無言だが、表情は厳しい。
2人がNHKまで足を運んだのは、前回のNHKの説明に合点が行かなかったからだ。前回の説明とは、1日に放送した日曜討論から同党を外したことについてだ。
NHK側は放送直後の翌々日である3日に「生活の党と山本太郎となかまたち」の国会控室に赴き次のように説明した―
NHKは公職選挙法の第86条の1項、2項を持ち出し、「国会議員5人以上」「直近の国政選挙で2%以上の得票がある」の両方を満たす必要がある。
この2つの条件で厳格に運用されているのならばともかく、そうではないのだ。NHK側は「総合的な判断」「今回は7党(※1)で行く」などと場当たり的な回答に終始した。
外された方は、こんなズサンな説明では引き下がれない。山本代表と玉城幹事長は意を決して国営放送局に乗り込んだのである。
NHK側は報道番組センターの舘谷徹センター長、皆木弘康・政経国際番組部長、日曜討論の小野勇人チーフ・プロデューサーが対応した。
~NHK「編集権に関わる」「内規文書なし」~
山本代表が「7党で行くというのは『いつ』『誰が』『どのような場で』決めたのか?」と切り出した。
NHK側(館谷センター長)は「編集権に関わるので答えられない」とかわした。
山本代表が「内規はありますか?」と畳みかけると、NHK側は「内規は文書として存在しない。公文書として管理されているものはない」と開き直った。
玉城幹事長が「11政党(※2)の政策が議論の上に乗らないと公平とは言えないのではないか?」と問うと、またもやNHK側はかわした―
「おっしゃることはよく分かります。基本は7党で行きますが、いろいろ工夫させて頂きます」。
事は「生活の党と山本太郎となかまたち」だけの問題ではない。「日本を元気にする会」も国会議員5人を擁している。
「太陽の党」「新党改革」は直近の国政選挙で2%以上の得票を得ている。政党要件を満たす4党がNHKから干されているのである。
山本代表は「公共放送の不偏不党性を考えると矛盾が出てくる。野党をシャッフル(入れ替え)してやったらどうか?」と提案したが、聞き入れてもらえなかった。
1時間に渡った議論でNHK側からは明確な回答は何ひとつなかったのである。山本代表と玉城幹事長は「平行線だった」とため息をついた。
政党要件を満たしていながらNHKの日曜討論に出演できない4党(「生活の党と山本太郎となかまたち」「日本を元気にする会」「太陽の党」「新党改革」)が、国政選挙で得た得票は合わせて526万6,060票にものぼる。
4党を出演させないのは、526万人余りもの声を無視するということだ。国民の受信料で成り立つNHKにそれが許されるのだろうか。
「編集権の問題」で済ませることは、到底できない。
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(※1)7党
自民、公明、民主、維新、共産、次世代、社民。
(※2)11政党
上記7党と「生活の党と山本太郎となかまたち」「日本を元気にする会」「太陽の党」「新党改革」。