森喜朗の開発で滅亡する銀杏並木の種を子どもたちが次世代に残す

再開発計画がストップしない限り消滅する銀杏並木の種を、女の子は拾い集めた。=30日、神宮外苑 撮影:田中龍作=

 森喜朗さん。あなたは子どもたちにこんな悲しいことをさせるのか―

 古木巨木が鬱蒼と生い茂りヒートアイランド現象を和らげる神宮外苑の緑。

 夥しい数の樹木を伐採し(業者は移植と言い換え)、高層ビルや屋根付きラグビー場、ホテルと野球場の複合ビルなどを建設しようというのが神宮外苑の再開発計画である。

 再開発の事業者は三井不動産、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事などだが、黒幕は森喜朗元首相である。

 自民党と裏取引しない野党系の知事が登場し再開発計画がストップしない限り、現存が不可能になるのが秩父宮ラグビー場前の銀杏並木18本である。

 事業者は「移植検討」としているが、移植不可能なことは自らも認めている。

 ラグビー場前の銀杏並木が消滅しても種を次世代に残そう・・・地元の子どもたちが種を拾い集めた。種はポットに入れて苗木にし、引き受けてくれる地で成木にする。(主催:明治神宮外苑を子どもたちの未来につなぐ有志の会 / 子どもたちの笑顔をつくる神宮外苑を考える会)

ナンバー4の銀杏の木の種。=30日、神宮外苑 撮影:田中龍作=

 出自を明確にするため、種は「4番の木」「5番の木」とナンバリングした袋(写真)に入れた。

 日本のどこかで銀杏の大木となっても「秩父宮ラグビー場前のナンバー〇の銀杏の木の子孫だよ」と語り継ぐことができるようにするためだ。

 種を集めていた女の子は「木が切られるのは悲しい」と言ってうなだれた。

 森元首相らが力づくで規制を取っ払い、デベロッパーが悪知恵の限りを尽くして再開発を強行したとしても、自然を慈しんだ子どもたちの気持ちは未来永劫残るのである。

 外苑再開発をめぐっては地元住民らが現在2本の裁判を起こしている。新宿区を相手どった伐採の差し止めを求める訴訟と、東京都を相手どった再開発認可の取り消しを求める訴訟だ。

銀杏の種を探す子どもたち。=30日、神宮外苑 撮影:田中龍作=

  ~終わり~

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