自民党最大派閥の安倍派が最後の総会を開いた1日、市民団体(自民党ウラガネ・脱税を許さない会)が安倍派の幹部ら10人を脱税(所得税法違反)で東京地検に告発した。
田中は東京地検前と自民党本部を「一人時間差」で取材した。
自民党本部7階の廊下はマスコミで埋め尽くされていた。安倍派最後の総会が開かれる大会議室に向かって控室を出た幹部たちがゾロゾロと歩いていく。悪党たちの行進だ。
驚いた。世耕弘成・参院幹事長や萩生田光一・前政調会長ら安倍派幹部の顔色がすっかり良くなっているのだ。
先週末(1月26日)、安倍派幹部はメディアがカメラ撮影できない議員会館で人目をはばかりながら会合を持っていた。茂木幹事長から「責任の取り方を考えるように」と離党勧告を仄めかされていたのだ。
世耕氏や萩生田氏は顔色がなく、目も虚ろだった。顔がセメント状になってヒビが入りガラガラと崩れる…アニメに喩えるとこんな感じだった。
ところが週が変わると自民党の情勢が一変した。安倍派に強い態度で臨んでいた茂木幹事長の足元がグラつき始めたのだ。小渕優子・選対委員長や青木一彦・副幹事長ら茂木派の顔が続々と同派を退会していった。茂木派は溶解しつつある。
岸田派も二階派も裏金議員がいるため誰も強いことは言えない。岸田総理や二階元幹事長に「離党しろ」なんて言えないのだ。
安倍派幹部が開き直れる環境が今週に入って急速に整ったのである。顔色がいい理由だ。
自民党本部に居合わせた知人の週刊誌記者も「うん、顔色が良くなってるね」と相槌を打ち「検察と握り合ったのかな」と感想をもらした。
国民には重税を押し付け、インボイスで低所得者から最後の一滴まで生き血を啜る。なのに自民党の国会議員であれば何億円だって脱税できる。
「自民党ウラガネ・脱税を許さない会」の告発状によると塩谷座長や5人衆の萩生田前政調会長ら10人は、2018年から2022年にかけての5年間で、キックバックや中抜きにより得た収入を政治資金収支報告に記載せず税務署に申告しなかった。総額は2億475万円にのぼる。
「許さない会」の藤田高景代表は「安倍派がなくなる(解散する)前に告発したかった」と語った。
安倍派最後の総会が午後12時40分頃から。地検への告発は午前11時30分頃。執念だった。
「課税なきところに統治なし」。税こそ国家の礎である。ところが税金を納めない政治家が強権を振るうのが日本という国だ。
自民党最大派閥による巨額脱税がこのままウヤムヤにされてしまえば、この国は破綻する。
~終わり~
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