
「弟がこの下にいるんだ」。レスキュー隊による懸命の救出作業が続く。=2014年、ガザ 撮影:田中龍作=
ガザで住民の生き埋めを嫌というほど見てきた。救出は人海戦術のみだった。
イスラエル軍の攻撃と地震の違いはあれど、人々が倒壊した建物の下敷きになるのは同じだ。
「救えた命」と「救えなかった命」を分けたのは時間だ。重機さえあればすぐに救出できたケースは数えきれない。
能登地震で「道路が寸断されており…」などと言って、できない理屈を探し出すのではなく、どうしたら人員、機材を投入できるのか、あの手この手を考えるべきではないだろうか。
4日には輪島市の海岸にブルドーザーを積んだ海上自衛隊のホバークラフトが上陸したではないか。学校のグラウンドがあれば、人員を乗せたヘリが離着陸できるではないか。
ガザではこんなこともあった―
妊婦が家屋の下敷きになった。妊婦は圧迫死したが、すぐに救出できたため胎児は生き延びた。

妊婦が下敷きになった現場。奥は救出した男性。=2014年、ガザ 撮影:田中龍作=
~終わり~
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生き死にの坩堝ともいえる戦場で得た知見が少しでもお役に立つのであれば、これほど光栄なことはありません。