【パレスチナ報告】ジワジワ進む民族浄化の恐怖

父親(写真)は息子がイスラエル軍に逮捕されそうになったため制止しようとしたところ撃ち殺された。パレスチナ住民は虫けらのように命を奪われるのである。=1月12日、ウエストバンク 撮影:田中龍作=

 田中は昨年末、急ぎパレスチナに飛んだ。狂信右派政権がイスラエルに誕生したからだ。ナクバを警戒する声が現地から聞こえてきたのである。

 ナクバ(大災厄)。イスラエル建国(1948年)により、75万人ともいわれるパレスチナ住民が、住み慣れた地を追われ難民となった(国連広報センター)。

 狂信右派から成るネタニヤフ政権はナクバを再現するのではないか、とパレスチナ住民は恐れる。
 
 パレスチナ住民にとっては大災厄だが、ユダヤ人にとっては民族浄化なのが、ナクバである。

 ネタニヤフ政権は一気にアラブ人を追い出し、ユダヤ人居住区としたいのだろうが、口実が必要となる。

 テロリストを輩出したアラブ人住宅は即取り壊される。ユダヤ人を狙えばテロリスト認定される。

 田中の滞在中、東エルサレムとウエストバンクを合わせると一日一軒のペースでアラブ人住宅が国境警察によって壊されていた。アラブ人が一日一人のペースでイスラエル軍に殺されていた。

 イスラエル建国(第一次中東戦争)時のように、パレスチナ住民が一気に土地を追われるようなことはないが、ネタニヤフ政権の4年間で、単純計算すれば、1460世帯が追放されることになる。1460人が殺される計算となる。

 ナクバという名の民族浄化はジワリジワリと進むのである。

アラブ系住民を追い立てるイスラエル国境警察。=2月10日、東エルサレム 撮影:田中龍作=

  ~終わり~

 ◇
読者の皆様。

田中龍作が紛争地で直接見たこと聞いたことを記事にしています。世界でたった ひとつ しかない情報です。

紛争地取材は通訳やドライバーへの危険手当などで費用がかさみます。

皆様のお力で取材を続けさせて下さい。何とぞ御願い申し上げます。          
  ↓

田中龍作の取材活動支援基金

■郵便局から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
記号/10180 番号/62056751

■郵便振替口座

口座記号番号/00170‐0‐306911

■銀行から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
店名/ゼロイチハチ・0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)
店番/018 預金種目/普通預金 口座番号/6205675 口座名/『田中龍作の取材活動支援基金』

■ご足労をおかけしない為に

ゆうちょ銀行間で口座引き落としができます。一度窓口でお手続きして頂ければ、ATMに並んで頂く手間が省けます。印鑑と通帳をお持ち下さい。
記号/10180 番号/62056751 口座名/タナカリュウサクノシュザイカツドウシエンキキン

連絡先
tanakaryusaku@gmail.com
twitter.com/tanakaryusaku

パレスチナ(ガザ・西岸)