田中はなぜパレスチナまで来たのか

イスラム教徒の聖地であるアルアクサの丘はイスラエルに警察権がある。占領の冷厳な事実だ。=15日、撮影:田中龍作=

 イスラム教徒の聖地であるアルアクサ・モスクは、ユダヤ教徒の聖地であるユダヤ第2神殿跡の上に立つ。

 アルアクサ・モスクを壊して、そこにユダヤ教第3神殿を建てようとする人々がいる。ユダヤ教・狂信派と言われる。彼らは第3神殿の模型まで作っているのだ。

 間もなく発足するネタニヤフ新政権は、狂信派政党と右派リクードとの連立政権である。怖いのは狂信派政党から財務大臣と警察庁長官が選出されそうなことだ。内定しているとまで言われる。

 入植者のリーダー格であるBezalel Smotrich 氏が 財務大臣となれば、入植地がさらに拡大されるのは必定である。パレスチナ人は家を壊され追いやられる。

 「アラブ人に死を」と叫ぶグループのボスであるItamar Ben‐Gvir氏が警察庁長官となれば、国境警備にあたって当然であるかのようにパレスチナ住民を殺傷するだろう。

 パレスチナ住民は殺され土地を奪われるのである。イスラエル建国(1948年)により300万とも400万人とも呼ばれる難民が発生した「ナクバ(破局)」さえ思い起こさせる。

パレスチナ住民がイスラエル側での仕事を終えて地元(自治区)に帰る際は回転式の鉄柵をくぐる。鉄柵は逆には回らない。イスラエル側に出るには検問所をくぐらなければならない。まるで囚人のようだ。=15日、パレスチナ自治区ベツレヘム 撮影:田中龍作=

 第3次インティファーダ(蜂起)を危惧する向きも少なくない。インティファーダともなれば両民族とも無辜の市民が巻き添えとなる。

 ナクバもインティファーダも起きないに越したことはない。

 だが国際社会を戦慄させる惨劇が発生する恐れは十分にある。2022年の11か月間でパレスチナ自治区の住民が159人もイスラエル軍や国境警備隊によって殺害されているのだ。

 Itamar Ben‐Gvir氏の警察庁長官就任により死者が格段に増えることが懸念される。

 惨劇が発生した場合、いち早く読者に事実を伝えたい。田中が中東問題の震源地まで足を伸ばした理由である。

パレスチナ住民は分離壁と呼ばれるイスラエルが設けた巨大な壁の内側で暮らす。=15日、パレスチナ自治区ベツレヘム 撮影:田中龍作=

    ~終わり~

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