消費税増税のお膳立てをし、安倍政権誕生に道を開いた野田佳彦前首相。
「隠れ自民」とも揶揄される野田氏が、きょう28日、銀座であった宇都宮候補の応援演説に入ったのは、立憲(都連)からの申し入れであることが、宇都宮選対関係者の証言で明らかになった。
最初に野田氏に声を掛けたのは共産党の志位委員長ということだが、あまりに不自然な弁士投入だ。田中はまず宇都宮さん本人に野田氏登壇の経緯を聞こうとした。
宇都宮さんは「(応援弁士は)選対が決めてるんで、私がとやかく言えないんだ」と苦り切った表情で言った。
そこで選対最高幹部に聞くと「立憲です。(都連幹事長の)手塚(仁雄)さんのルート」ということだった。
田中が手塚氏本人をつかまえて聞くと「そうです」とあっさり認めた。
選対本部長の海渡雄一弁護士は、田中の電話取材に「立憲に聞いてください」としながらも「僕ら(選対)の方は提案されてイヤとは言わなかったということです」と答えた。
貧困層に救いの手を差し伸べる宇都宮さんと、貧困層を増税で苦しめる野田氏とでは政策が真反対だ。
野田氏が宇都宮さんの応援演説に入ったことに有権者の反発は強い。
聴衆は「まさか?」といった表情で野田氏を見つめた。
60代の女性は開口一番「びっくりした」。60代の男性は「(コロナ禍で)生きるか死ぬかがかかっている選挙なのに、野党は真剣さが足りない」と憤った。
中継動画には野田氏に向かって怨嗟のコメントが流れた―
「野田さん(消費税)10%ありがとう」。これはもちろん皮肉だ。
「野田はさっさと自民党に行け」
「これで10万票減るんじゃないの」
ラストサンデーに銀座歩行者でおこなわれる街頭演説は、都知事選で最大のイベントだ。立憲はそこに貧困層をさらに苦しめる野田氏を投入したのであった。
庶民感覚のなさは覆いがたい。野党共闘が、選挙で安倍政権に負け続ける理由がここにある。
~終わり~
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