ガザ市中心部のアル・シファ病院には、イスラエル軍の空爆で負傷した人が、毎日50人(平均)運び込まれてくる。病院で息を引き取った負傷者は空爆開始から56人になった。(病院事務局による)
病院の玄関前には大勢のメディアが張り付き、テント村さえできている。3台のテレビ中継車がパラボラを空に向けていた。
メディアの関心は、イスラエル軍の「違法兵器」使用だ。2008~09年と2012年の空爆ではクラスター弾が、2009年には白リン弾が使用されたと一部で報道された。共に国際条約で禁止されている兵器だ。
それを理解しているイスラエルは、裏技を使ったのだろうか。
ノルウェイから医療支援のため、ガザのアル・シファ病院に来て救急治療を続けているマッズ・ギルバート医師が衝撃的に語った―
「海外の専門家や医師は『イスラエルは新型爆弾を使っている。DIM弾と呼ばれ、当たると手足が切断されたり、火傷を負ったりする』と話している」
「彼らは『(DIM弾は)クラスター爆弾や白リン弾よりも危険だ』という」。
DIM弾はクラスター弾のように数百個の子爆弾が飛び散って広範囲を破壊する。白リン弾のように体に付着すると大火傷を負う。
2008~2009年の大規模空爆でイスラエル軍がガザ国際空港に投下したクラスター弾らしき物が、DIM弾だったのだろうか。
空港の滑走路はアスファルトが長さ70~80センチ、幅50~60センチの菱形に砕かれていた。皆同じような形で同じようなサイズだ。不気味な菱形は見渡す限り続いていた。
白リン弾を思わせる黄金色に光る爆弾は15日、攻撃ヘリが放っていた。
クラスター弾でも白リン弾でもないから、国際条約の網の目をくぐって使える。それでいて殺傷力は両者よりも強大だ。
戦争屋にとって「夢の兵器」は、市民にとって「悪魔の兵器」となる。
セールスも兼ねて、イスラエルがガザ攻撃を仕掛けているのであれば、人類への冒涜となるだろう。
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