仕事を干されながらも脱原発のために戦ってきた俳優の山本太郎氏が、新党を結成し衆院選挙に出馬する。本人が1日、都内で記者会見を開き明らかにした。
山本氏は出馬の動機を次のように語った――
「自分自身、政治家になりたいという気持ちはない。ヤクザな世界だから。そういうところに身を置くのはしんどい。でも、1年8か月(脱原発の)市民活動をしてきて、一票も漏らしてはいけないと思うようになった」。
「(マスコミ報道では)争点の脱原発が一番に押し出されていない。これ、大命題なのに」。
「福島第一原発は収束の仕方がわからない。燃料見つけられない。漏れ続けている。今日本は地震の活動期。鳥取、阪神、中越地震など。日本を取り囲む4つのプレートが揺れ続けている」。
「もともとでたらめだった原発を平気で動かそうとしている。1%の人がおいしい思いをするために、99%の僕たちが生贄になる。脱原発、反TPP、反消費税と共闘していきたい」。
新党の名称は「今はひとり」。その名のごとく党員は山本太郎氏ひとりだ。脱原発で奔走してきた太郎氏のことだから「未来の党」から立候補すると思った人も多いはずだ。
諏訪:一人で出るメリットは?
山本:どこかの党に入ってしまうと党のカラー、歩調に合わせなくてはならない。一人だと問題に対してストレートによどみなく伝えられる。
『出ないか』と、いろいろな党のいろいろな方々から言われて会った。脱原発、反TPPについて民主、自民、公明、維新はクロ。『みんな』はグレーにしといてください。これらの党は日本を売り渡そうとしています。大国(アメリカを指す)の利益になります。今挙げた党はこの国に住まう者たちには目が向いていない。
田中:どの選挙区から出るのか?原発を再稼働させた仙谷さんは徳島1区で凄く評判が悪い。徳島1区で出れば勝てるが…
山本:仙石さんはもう終わった政治家。祭りにしないとだめなんです。一番強い相手とぶつかりたい。3.11以降の悲劇に追い込んだ張本人は民主党。枝野さん、細野さん。この国のすべての人を被曝させた民主党は戦犯です。首狩り族の一人として僕は行く必要がある。野田さんもそうです。ケジメをつけに行ってやろう。
原発を止めたい一心で、子供を守りたい一心で、好きでもない政治の世界に飛び込もうとしている山本太郎氏。記者会見が終わると、都知事選に立候補している宇都宮けんじ氏の応援に向かった。
《文・田中龍作 / 諏訪都》