衆院解散から1時間後のきょう午後5時から民主党は国会内で両院議員総会を開いた。墜落寸前のような超低空飛行の内閣支持率、政党支持率を考えれば、衆院議員の半分以上が返り咲くことはない。総選挙で大惨敗を喫することは免れない情勢だ。解党を予想するむきもある。両院議員総会はこれが最期となる可能性もあるのだ。
挨拶に立った輿石東幹事長が「我々、民主党議員にとって今日は忘れられない、忘れてはならない日となる」と述べた。“必死に止めたのに野田さんは解散した”そんな恨み節が言葉の隙間から漏れ聞こえるようだ。
民主党政権最期の総理となった野田佳彦首相が登壇した。ブーイングのひとつでも出るのかと思っていたら、万雷の拍手で迎えられた。
「税と社会保障の一体化に責任を果たしたかったから…」。野田首相は解散に踏み切った事情を説明した。
「2030年代に原発をゼロにする」「国益を守るためにTPP推進」…子供だましともつかぬ政策をぶちあげた後「皆が当選してバッジをつけて我々が政権を守るために頑張ろうじゃありませんか」と絶叫した。
著しく欠けた現状認識能力は病的でさえある。国民生活を尻目に内紛に明け暮れ官僚支配を強化させただけの民主党政権に、きょう終止符が打たれた。確かに「忘れられない日」となるだろう。