ガザで起きたイスラエル軍の戦争犯罪―国連公聴会開く

 昨年末から3週間に及んだイスラエルのガザ侵攻で起きた戦争犯罪について「国連人権理事会ガザ調査団」が29~30日、現地で公聴会を開いた。NHKがテレビニュースで報道していたが、映し出されていたパレスチナ人証言者に筆者はド肝を抜かれた。

 現地取材の際、イスラエル軍による虐殺のもようを筆者に話してくれた男性だったからだ。国連に提出した写真も現場で筆者に見せてくれたのと同じ物だった。

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「ここに連行された」と指差すヘルミさん(ザイトゥーン地区で。写真=筆者撮影)

 男性の名はヘルミ・アルサムーニさん(当時26歳)。ヘルミさんはガザ市ザイトゥーン地区で住民97人が一箇所に集められ、うち29人が爆撃などにより殺害された事件に巻き込まれた。(虐殺事件については『田中龍作ジャーナル』3月22日付け【ガザ点描】に掲載)

 ヘルミさんの場合はこうだーー。1月4日、同地区に入ってきたイスラエル軍はヘルミさんの家に踏み込んだ。ヘルミさんは妻と3人の子供と共に4階建て(パレスチナは大家族制で大きな家屋に住む)の1階にいた。

 イスラエル兵は先ず妻と妻が抱いていた赤ん坊を射殺。続けざまに残る2人の男の子に銃弾を浴びせた。男の子たちの胸には判でも押したように2つの銃痕があった。目は見開いたままだ。

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射殺されたヘルミさんの子供たち。胸には判でも押したように2つの銃痕(写真=筆者撮影)

 妻と子供たちを殺されたヘルミさんは30メートル余り離れた家屋に連行された。そこに住民97人が集められた。何人かが射殺され、家はロックされた。ヘルミさんは両親が覆い被さってくれたため射殺は免れた。翌5日、家は空爆された。射殺された住民と合わせて29人が死亡した。

 調査団は6~7日、ジュネーブでも公聴会を開く。イスラエルがパレスチナ人証人の出国を許可するだろうか。

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