衆院選の大勝を受け、安倍首相は加計学園岡山理科大学・今治獣医学部の設置を力づくで認可させる・・・そんな見方が永田町と霞が関で支配的だ。
認可の発表が今月上旬にも迫るなか、モリカケ疑惑を追及する市民団体が、きょう、文科相や大学設置審議会長あてに「厳正なる審査を求める」意見書を出した。
バイオハザードの危険性が指摘されることから、今治市に設置された専門委員会の結果が出てそれが市民に周知されるまで、結論を出すのを待つべき ― という意見も含まれている。
意見書を手渡した後、市民団体は文科官僚と交渉を持った。文科省からは高等教育局・大学設置室の麻生亘・室長補佐ら3人が出席した。
市民側が「審議会はいつ開かれるのか?」と聞くと官僚は「現時点では分からない」。
「審議会の議事録は出るのか?」との問いには「議事録ではなく議事要旨」と答えた。獣医学部をめぐる議事要旨はこれまでにも改ざんが指摘されている。
「意見書は大学設置審議会長に渡るのか?」には「検討します」と素気ない返事だ。
市民団体のなかには豊中市議会の木村真議員もいた。木村議員は、近畿財務局が森友学園に国有地をタダ同然で払い下げた問題を明るみに出した人物だ。
木村議員は「渡す、渡さないを役人が判断すべきではない」と厳しく詰め寄った。
加計学園・獣医学部をめぐっては次回の大学設置審で認可されそうな気配が濃厚だ。にもかかわらず、「次回がいつなのか」も答えない。議事録も公開されない。設置審議会の会長の名前をさんざん問い合わせても明かさなかった。
田中が大学設置室の麻生室長に「会長の名前は言えないのですか?」と聞くと、室長は「ホームページに載っているはずです」と冷たく言い放った。
文科省のホームページで調べた。審議会のメンバーは載っているが、会長の名前はなかった。麻生室長がウソをついたと思いたくないのだが。
官僚との交渉に先立ち、市民団体は記者クラブで会見を持った。
幹事社の産経新聞が「安倍首相への刑事告発は受理されたのですか?」と質問しただけ。
記者クラブからの質問はこれ一つだった。各社、まったく無言だった。
「選挙が終わったらモリカケ問題も終わる、とマスコミが言っている」。マスコミ出身の国会議員が選挙前に話していたのを まざまざ と思い出した。
~終わり~
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『【総選挙・写真集】大義を貫いた候補者たち』
をぜひ御覧ください。