陸上自衛隊新基地の予定地とされている宮古島中央部のゴルフ場で24日からボーリング調査が始まった。
新基地建設の是非が争点となった宮古島市長選挙で、容認派の下地敏彦市長が再選された翌々日のことだ。防衛省の焦りが窺える。
新基地には少なくとも700~800人規模のミサイル部隊が配備される。ミサイルは敵に叩かれずに済む移動式だ。配備後はミサイルを積んだ超大型トラックが島の外周をグルグル回る。
絵空事ではない。防衛白書(平成28年度)に目を通すと、早晩現実となることが分かる。
第Ⅲ部第2章「島しょ部に対する攻撃への対応」に作戦計画が載っている。
島しょ部に侵攻があった場合には、航空機や艦艇による対地射撃により敵を制圧した後、陸自部隊を上陸させるなどの島しょ奪回作戦を行う。また、弾道ミサイル、巡航ミサイルなどによる攻撃に的確に対応する。(平成28年度 防衛白書)
空自宮古島分屯基地の地下には司令部が設けられる。敵のミサイル攻撃に遭っても作戦指揮を続けることが可能となる。
敵が先に島を制圧した場合も当然想定している。「離島奪回作戦」である。
空からは爆撃機が敵を叩き、回転翼機(ヘリ)が兵員をパラシュート降下させる。海からは水陸両用車とボートで兵員が上陸する。
日米合同の上陸訓練も予定されている。宮古島の東海岸にあたる平良の砂浜(写真)と見られている。
訓練にはオスプレイも登場する。沖縄選出の伊波洋一議員が政府に「訓練にオスプレイは必要か否か?」とする質問主意書を提出した。
政府は「具体的な訓練の内容について、現時点でお答えすることは困難である」としながらも「V-22(オスプレイ)を使用することも想定される」と答弁した。
オスプレイは来るのである。
さらに驚くのは翁長知事が観光に活用しようという下地島空港の軍事転用に向けた動きがあることだ。
沖縄県が管理する下地島空港は3,000m級滑走路を持ちながら、現在はコミューター機の離発着訓練などに使われているだけとなっている。
1971年(昭和46年)、屋良朝苗主席(知事に相当)と佐藤内閣の丹羽喬四郎運輸相との間で交わされた覚書では、「民間機以外の下地島空港利用は認めない」とある。
民主党政権時、北沢俊美防衛相は衆院安全保障委員会で下地島空港の自衛隊利用について「国を守る防衛省、自衛隊としては大変魅力あるものだ。実際に活用できるかどうかも検討していきたい」と述べた。(琉球新報)
民主党政権の防衛相でさえ食指を動かそうとしたのだから、安倍政権が動かぬはずはない。
北沢防衛相の上記の答弁を引き出した沖縄選出の保守系議員が現在も、地元と防衛省の間に立つ。
エメラルドグリーンの海に囲まれたのどかな島が、ぴりぴりとした緊張が張りつめる要塞の島となる。時間の問題だ。
~終わり~
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「島を戦場にしてはならない」「基地から地下水源を守れ」・・・オール沖縄の市長候補と3児の母の市議会議員候補が、安倍政権に抗って訴えていた宮古島の選挙。
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