
宝田明氏。満州からの過酷な引き揚げ体験が反戦平和の原点だ。「米ソ冷戦の最中むっくり起き上がったゴジラも被爆者。選挙戦はゴジラと共に戦う」。=10日、都内 撮影:筆者=
安保国会で日本中が揺れていた昨夏から「野党は一つになるべし」と呼び掛け続けた憲法学者の願いは、裏切られた。
新党「国民怒りの声」(代表=小林節・慶大名誉教授)はきょう、比例区に立つ候補予定者8人を紹介した。
元参院議員の円より子氏、俳優の宝田明氏、小林代表本人以外は、全くの無名候補だ。選挙戦は厳しいものになるだろう。
一ヶ月前、新党立ち上げの記者会見で小林代表は、「(比例区で)野党統一名簿ができたら旗を降ろす。選挙に出るのが目的でないから」とまで話していた。
野党はこれまでバラバラに戦ってきたため連敗を続け、とうとう 後 がない処まで追い詰められた。今度も自公に勝たせたら憲法改正を発議されてしまうのである。
新党「国民怒りの声」は、野党に統一名簿を促す最後の賭けだった。憲法学者の強烈な危機感だった。だが野党幹部に自覚はなかった。
統一名簿が失敗に終わった理由を記者団から聞かれた小林代表は次のように答えた ―
「野党の政治家とは幾度も話したが、自分の党と自分が生き延びることしか考えていなかった。残念だった」。

民主党(当時)議員だった円氏は、改憲勢力が3分の2議席を獲りそうなことに危機感を表明した。=10日、都内 撮影:筆者=
~終わり~