鈴木貴子衆院議員(北海道比例)がきょう、民主党を離党した。折も折、民主と維新による新党結成が正式に決まった日である。この日にぶつけたと受け取られても仕方がない。
父の宗男氏が立ち上げた新党大地は、北海道5区の補選(4月12日告示、24日投票)で自公候補を推すことをすでに明らかにしており、貴子議員の離党は時間の問題だと見られていた。
枝野幸男幹事長に離党届を出した後、鈴木議員は国会内で記者会見を開いた。離党の理由は、民主党が共産党と野党統一候補を立てたことだ、とした。
新党大地は前々回(2012年)の総選挙で7つの選挙区に候補者を立て、31万票余を獲得した。この選挙で民主党は北海道の小選挙区で1人も当選者を出せなかった。
前回(2014年)、新党大地の選挙協力を得た民主党は、小選挙区で3人を当選させた。新党大地の協力あればこそだった。
北海道で自公は強力な助っ人を得たことになる。新党大地は強い方になびいたことでさらに地盤を固めた。
鈴木宗男元議員は来年4月、公民権停止が解かれる。政界復帰に向けて着々と布石を打っているようだ。
「選挙戦で自公候補の応援に行くか?」と問われた鈴木議員は「要請があれば行く」ときっぱり答えた。
民主党関係者は「(鈴木議員は)一番いい時に売った」と皮肉な笑みを浮かべた。
鈴木議員に冷や水を浴びせられた格好の岡田・民主党代表は、きょうの定例記者会見で「(鈴木議員は)民主党の比例候補で当選したのだから、議員辞職すべきだ」と険しい表情で語った。
新党結成が正式に決まったことを発表する記者会見なのだが、まったく気勢があがらない。
綱領、新党名はこれから新党準備会で話し合って決める、という。田中は「連合との関係はどうするのか?」と質問した。「身を切る改革」を党是に掲げる維新と、連合の一翼を担う官公労は「政敵」である。
民主党は連合という“保護者”なくして政界で生き残ることは難しい。維新を抱え込むリスクは小さくない。
岡田代表は「民主党にとって連合は頼りになる支援組織であることは間違いない」としながら「政党と労働組合は別」とかわした。新党の限界が見えた瞬間でもあった。
産別出身議員の秘書は、「ワクワク感のない新党」「両方(民主、維新)の味が死んでしまう」と吐き捨てた。
~終わり~
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