「この間、何をしてきたんですか? 政権批判だけで票を増やすことをしてこなかった人は意味がない」―
講師役の座間宮ガレイ氏が一喝した。10日、都内で開かれた選挙の勉強会の冒頭だ。
インターネット番組「選挙ジョッキー」のパーソナリティーを務める座間宮氏は、日本各地を回り選挙情勢を分析している。氏の一喝は説得力があった。
安倍政権が安保法制を強行採決して早や4ヶ月。改憲が焦点になる参院選挙まで6ヶ月を切った(公示を7月第1週とした場合)。
野党共闘は遅々として進まない。野党共闘しても自公にダブルスコアで負けている選挙区もある。
自公の圧勝は小選挙区制度によるものとされがちだ。だが座間宮氏は「沖縄(衆院)は野党が全部勝っているではないか。選挙制度のせいじゃない」と否定する。
田中はよく沖縄取材に出かけるが、沖縄県民の政治意識は強烈だ。
座間宮氏は「(巨大)与党を作りあげたのは国民です」と強調した。
もう一人の講師役、古賀茂明氏(元経産官僚)は、おおさか維新が圧勝したダブル選挙を例に同様の指摘をした―
「本当に負けたのは市民。『ハシモト嫌いだ』と言ってただけで、市民(側)が候補を立てなかったから」。
共産党と創価学会(公明党)は、戦前戦中の弾圧を経験した。両党は暗黒の時代に戻りたくない、という危機感が強い。
公明党(創価学会)は権力(自民党)にぴったりと寄り添い、今度こそは弾圧されまいとしている。
共産党は安倍政権が安保法制を強行採決したその日(昨年9月19日)から動き始めた。「国民連合政府構想」を打ち出し、野党共闘を呼び掛かけたのである。
戦前戦中を知らない世代が圧倒的多数になった今、最も危機感がないのは市民ではないだろうか。「民主が15議席削られたら(負けたら)改憲されるんですよ」。座間宮氏の指摘が現実味を帯びる。
~終わり~