“こんな悪法を通してはいけない” 安倍内閣が今国会の重要法案と意気込む「特定秘密保護法案」に危機感を抱く人々が、国会議員の事務所をローラー作戦で回り「法案を可決させないように」と訴えた。
ローラー作戦は5日からきょうまで4日間に渡って行われ、のべ200人のボランティアが、約300人の国会議員の事務所を訪ねた。ボランティアたちは5~6人で1チームを組み、自民、公明、民主などの議員事務所(衆参議員会館)を回った。
自民党議員には「多くの国民が反対しています。声は日毎に大きくなっています」、公明党議員には「与党のブレーキ役として…」、民主党議員には「野党第一党として国民の期待に応えて…」と呼びかけた。
カギは民主党だ。法案に反対、あるいは慎重な議員が多くいるからだ。ある民主党議員事務所は「法案の中身をつぶさに調べた」という。結果は欠陥だらけだった。
事務所の政策秘書は官邸にいた頃の経験を持ち出し、次のように話した。「重要書類の肩には“情報を漏えいするとクビになります”と書かれていた。クビになってまで秘密を漏らす公務員がいますかね?」「国際基準からも外れている」……
民主党は今国会に「改正情報公開法案」を提出しており、自民党とのバーターで「特定秘密保護法案」に賛成するのではないか、との見方がある。
この点について前出の秘書氏に尋ねると「ウ~ン」と苦しそうな表情を浮かべた。
きょうのローラー作戦には愛知県岡崎市から参加した女性がいた。彼女によれば「東京の議員会館より地元事務所の方がずっと親身だ」という。選挙がかかっているからだ。
永田町は強行採決の噂さえ飛び交う。世論に訴え、国会議員の地元事務所にプレッシャーをかけ続け、簡単に採決させないことが肝要だ。
◇
『田中龍作ジャーナル』は読者のご支援により維持されています…https://tanakaryusaku.jp/donation