「小沢氏は国替えするのか、しないのか」、1年近く憶測を呼んだ衆院東京12区。じらしにじらした挙句民主党は、小沢チルドレンの青木愛参院議員を公明党の太田昭宏代表への刺客に立てた。
小沢氏の出馬が取り沙汰され始めた昨年秋、筆者は東京12区を歩いた。太田代表を落とす訳にはいかない公明党・創価学会は、他地区から応援部隊を派遣してテコ入れしていた。その分、他地区での力は削がれることになる。小沢氏の選挙戦術である。
青木参院議員が鞍替え出馬の記者会見をした24日午後3時、尼崎市では、「新党日本」の田中康夫代表(参院議員)が兵庫8区から民主党の推薦で出馬する記者会見を開いた。こちらは公明党の冬柴鉄三前幹事長への刺客である。青木氏には小沢代表代行が、田中氏には鳩山代表が同席した。
発信力には定評のある田中氏が出馬することで、冬柴陣営の足元は揺らぐ。東西で公明党の最高幹部がゲリラ攻撃をかけられたようなものだ。
だが、パートナーの自民党が惨敗した東京都議選で公明党は立候補者23人を全員当選させた。与党への強い逆風が吹くなか、議席をひとつ増やしたのである。底力は侮れない。上げ潮に乗る民主党とは言え、苦戦を強いられるだろう。
とはいえ、公明党・創価学会は戦力を東京12区と兵庫8区に余計に割かなくてはならない。局所的に敗れるようなことがあっても大局的には優勢に持っていける。囲碁の達人と言われる小沢氏の選挙戦術は効を奏しそうだ。
ただ、小沢氏は選挙後に起きるあらゆる事態を想定し、東京12区で太田代表の息の根を止める手だけは、打たなかったようだ。
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