暗黒のファシズム国家はすぐ目の前に

目も虚ろな西村氏。「目が行き届いてなかった」とトボけた。事務総長経験者としてありえないコメントだ。=19日、自民党本部 撮影:田中龍作=

 戦前・戦中に育った人がごく僅かとなったため日本国民はファシズムの恐ろしさを知らない。

 亡くなった母(1927年=昭和2年生まれ)は、コマセな私が政府や天皇制を批判したりすると「そんなこと言うと憲兵から連れて行かれるわよ」と目を吊り上げて叱りつけた。恐怖が抜けきれていなかったのだろう。

 今この国はあの時代に戻るのかどうかの瀬戸際にある。

 2012年、自民党が政権に復帰すると、安倍晋三は矢継ぎ早に独裁体制の維持に必要な法案を提出し、成立させていった。秘密保護法(2013年)、安保法制(2015年)、共謀罪(2017年)などである。

 唯一安倍の目論み通りに行かなかったのは検察庁法改正(改悪)法案だった。安倍が自らに都合のよい人物を検事総長に据えるための法改正(改悪)だった。

 タレントの小泉今日子さんらがツイッターデモを盛り上げ、文春報道がトドメを刺す格好で悪法は見送られた。

安倍派総会で陳謝する幹部。=19日、自民党本部 撮影:田中龍作=

 とはいえ近代国家の体はなし崩しにされてきた。

 森友事件では公文書が改ざんされ、改ざんに手を染めさせられた公務員が自らの命を絶った。

 加計学園獣医学部をめぐっては「総理のご意向」として無理筋の新設が認められた。

 安倍晋三に近いジャーナリストは強姦さえも警察幹部に頼み揉み消してもらった。

 法治国家においてあり得ない暴挙は枚挙にいとまがない。

 自民党による人治主義はいま完成の域に達しつつある。

 裏金事件である。

 国民には死にたくなるほどの重税を課しておきながら、安倍派幹部は何億円脱税してもお咎めなしなのだ。

 安倍派幹部が野放しにされたまま憲法改正されれば、国民はファシズムの恐怖を初めて味わうことになる。

「秘書がやった」。部下に責任をなすり付けた世耕氏。こんな人に国を任せられるだろうか。=19日、自民党本部 撮影:田中龍作=

  ~終わり~

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