問題は派閥ではないのだ。国民は血の一滴まで税金を搾り取られるのに、なぜ自民党議員は3千万円までだったら脱税できるのか、ということなのだ。
我が家は数十万円の延滞で税務署員に踏み込まれかけたことがある。「家の中を見せてもらえますか?」と言って中に入ろうとしたところを女房が体を張って押し止めた。
入られていたらPCやカメラなど金目の物は押収されただろう。仕事ができなくなり田中家は路頭に迷っていたはずだ。
安倍派幹部らの脱税に国民の怒りが収まらないのは当然である。
岸田首相を本部長とする自民党の政治刷新本部は、裏金事件の再発を防止する諸施策の中間とりまとめ案について、きょう23日、全議員から意見を聞いた。
刷新本部の安倍派9人のうち8人までが裏金を受け取っていたことが特捜部の調べで明らかになっている。刷新とは名ばかり。泥棒に縄を結わせるようなものである。
刷新本部は案の定、問題をすり替えていた。中間とりまとめ案の骨子は派閥を「政策集団」とし、▼政策集団による政治資金パーティーの禁止▼政策集団による人事介入は行わない、などである。
岸田首相は「資金と人事を遮断する」と豪語するが。
リクルート事件(1988~89年)を受けた政治改革では派閥の弊害除去と称して政治資金規正法が設けられ、小選挙区制が導入された。
結果はどうなったか。政治とカネをめぐる事件は浜の真砂のように尽きない。
小選挙区制にしたため選挙の公認権を握る党執行部の権威は絶大となり、政治家たちは地元選挙民を重視しないようになった。
何が政治のニーズなのか汲み上げることをしなくなったのである。政治は劣化した。
法律を強化して派閥の弱体化を謳ったのだが、政治はもっと悪くなった。今回も似たようなことが繰り返されるだろう。
にもかかわらず新聞テレビは全力投球で「派閥の解消(それも抜け穴だらけ)」を報道した。岸田政権報道部に騙されてはいけない。
~終わり~
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パレスチナ取材の大借金を抱えたまま能登半島と新潟の柏崎にまで足を延ばしました。人命第一と考えたからです。
首を吊ろうにも吊れる首は一つしかありません。御支援なにとぞ御願い申し上げます。