イスラエル軍により肉親を殺された男の子たちに「将来は何になりたいか?」と聞くと、彼らは皆「ハマスの戦士になる」と答えた。避難所となっていたUNRWAの小学校を訪れた時(2014年)のことだ。
2008~09年戦争で出会ったイスラム聖戦(ハマスの兄弟分)の戦士は、母親をイスラエル軍の陸上侵攻で殺された経験を持っていた。イスラエルへの反撃方法を語る時、彼は目をランランと輝かせ至福の笑みさえ浮かべた。
「ハマスをせん滅する」。ネタニヤフ極右政権は本気のようだ。常軌を逸したイスラエル軍の猛攻がそれを証明する。
パレスチナ側に2,000人超の死者を出した2014年の侵攻が過去最大のオペレーションだったが、今回はそれを遥かに上回る。
かりにネタニヤフ政権のお望み通りハマスを掃討できたとしても、生き残った子どもたちがハマス戦士となる。
子どもたちも含めてガザ住民を皆殺しにしない限りハマスは再生産されるのだ。
元イスラエル軍兵士が英スカイTVのインタビューに「ハマスをWipe Outすることはできない」と語っていたが、その通りだ。
もしや、ネタニヤフ首相は220万人のガザ住民を一人残らず殺害するつもりだろうか。
ユダヤ民族は根絶やしにされそうになった経験を持つ。極右の最高権力者が歴史への報復を考えていたとしても何ら不思議はない。
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田中は人類史に残る大虐殺が起きる恐れのあるガザを取材するためにパレスチナに来ております。
危険手当を伴うためにドライバーに日額1千ドル(約14万円)も払わなければなりません。
飛行機代、ホテル代ですでに借金まみれとなっており、そこに巨額の取材費がのしかかります。
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