世界に恥ずべき悪法が1年後の施行を待たず、大手を振って歩きつつある。
3回目の難民認定申請で本国への強制送還を可能にする改正(改悪)入管法のことである。難民問題に取り組んでいる弁護士によれば、入管は難民申請の用紙を渡さなかったり、難民申請をしていなければ、すぐに収監したりするようになった。
人権無視にますます拍車がかかっているようだ。改悪入管法によるお墨付きが大きい。
悪法に反対する市民や弁護士たちが、きょう18日、日比谷公園を出発し数寄屋橋を通るルートでデモ行進した。参加者は約200人。運用面で入管にプレッシャーをかけるのが狙いとみられる。(主催:関東弁護士会連合会)
デモにはスリランカ男性(40代)の姿もあった。男性は暴力を逃れて11年前、命からがら日本にたどり着いた。
父親と姉の死に目にも会えなかった。帰国すればその身が危うくなるからだ。
男性は難民認定4回目を申請中だ。改悪入管法が施行され厳格に運用されれば、強制送還は免れない。
日本は難民条約の加盟国でありながら、難民を保護しようという精神のかけらもない。
「日本政府は難民を守れ」「難民の命を強制送還から守れ」・・・デモ隊のシュプレヒコールが梅雨の晴れ間に響いた。
~終わり~
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