「ヒジャブの被り方が悪い」と言われて宗教警察に逮捕された女性が死亡した事件に端を発したイラン政府打倒運動――
現地に入らずして評論はしたくない。せめて人々が何を思っているのかを知りたかった。在日イラン人たちのデモを取材に出かけた。
イラン政府打倒運動は4カ月目に入ったが、いっこうに衰える気配を見せない。CNNが国連の推計として伝えたところによると、逮捕者1万4,000人、死者277人にのぼる。
治安部隊は実弾を放ち、街には火の手があがる。映像で見る限り内戦状態のように見えなくもない。
中東情勢専門家は次のように分析する。
デモは最終的には弾圧される。革命防衛隊から反乱が出てくれば政府転覆もありうるが、今のところそれはない。治安当局が揺るがないことにはデモだけでは倒せない。
腐敗しきったパーレビ王朝を倒したイラン(ホメイニ)革命から43年が経つ。
革命を率いたイスラムの聖職者たちは、今、民を弾圧する側に回った。
参加者のモリテザさんは「私たちはどこまで殺されるか分からない。世界は助けて下さい」と訴えた。
~終わり~