「日本人の平均寿命は伸びた。年金だけじゃ生活していけないから、2千万円貯蓄しなさい。資産形成のアドバイスもしますよ」。
政府が社会保障という役割を放棄して、あげくに個人資産を株に投資させる・・・金融庁金融審議会が3日、「高齢社会における資産形成・管理」と題する恐るべき報告書を出した。
アベノミクスで年金を株式市場にジャブジャブとつぎ込んだ結果、年金財政は巨額の損失を出した。年金が減額され、支給開始年齢が引き上げられる。
国家ぐるみの詐欺である。「もう自分たちは年金なんてもらえないだろう。掛けさせるだけ掛けさせておいて」といった怨嗟の声が現役世代から漏れる。
この国の政府は掛け金を返さないばかりか、タンス預金さえ巻き上げようとしている。
金融庁は不安を煽って個人資産を株式市場に誘導しようとしているのだ。誘い文句は―
資産を運用するには「つみたてNISA」「iDeCo」といったところがお得です。税制で優遇されますから(原本割れのリスクは隠して)。
安倍政権による詐欺には、さらに恐るべき真相が隠されている。
今年は5年に1度の「(年金)財政検証」が公表される年だ。前回は2014年6月3日にあった。もう公表されていてもいい時期だ。
野党はきょう合同で金融庁と厚労省から事情を聴いた。
福島みずほ議員は本質を指摘した。「政府がこんなこと言ってはダメですよ。どこかの投資会社か金融会社が言うのであればいいのですが」と。
野党議員たちは「(年金)財政検証のデータを見せてほしい」と迫った。
厚労省年金課は「検証中です」としてデータ公開を拒んだ。
年金財政の損失はさらに膨らんでいるものと見られる。選挙前に事実が明るみに出れば、安倍政権には痛手だ。
「政府に聞くと “ 官邸からイロイロあるんで(公表は)選挙の後になるかもしれない ” 」。ミスター年金こと長妻昭・元厚労大臣が明かした。
~終わり~
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