市民団体が公表した獣医学部棟の設計図。テレビ各局は建設費水増し疑惑や公金支出に不似合いなワインセラー設置、果てはウイルス漏れなどバイオハザードのリスクがあることを競って報じた。
焦った加計学園は図面の真偽に触れようともせず、マスコミ向けに「ワインセラー設置の取り消し」、「建設費の妥当性」、「予定金額は80億円」という内容のFAXを立て続けに流してしまった。本物だと自ら認めたようなものだ。
こうした騒動のさなか、文科省・大学設置審議会の答申が25日、正式に発表された。マスコミ報道が影響したのか定かではないが、岡山理科大学・獣医学部は認可に到らず、保留にされたことがわかった。
保留分の認可については通常ならば10月末をめどに答申となるが、年末まで延びる可能性も出てきた。
設置審の答申をうけ民進党は25日、臨時の「加計疑惑調査チーム」を開いた。文科省・内閣府・農水省の役人が呼ばれた。
宮崎岳志議員が「保留の理由は何か?」と聞いた。文科省は「現在審査中なので差し控えたい」としながらも「現時点で設置認可の水準をクリアしていない」ことを明らかにした。
宮崎議員が畳み掛けた。「認可が年をまたぐことはあるのか?」。文科省の役人は、「最終的な認可時期は例年10月末だが、把握する限りでは12月までもつれたのが最終だ」。
桜井充座長が内閣府に確認した。「30年4月開学できなければリセットか?」
内閣府は次のように説明した―「特区は平成30年4月新設のための特別措置。仮に取り下げになったり、31年度以降の申請になると、いま門を開けたものの対象にならない・・・不認可、取り下げは(門の)外の状態」。
設置審が不認可とするか、加計学園が申請を取り下げる事態となれば獣医学部新設の計画は白紙になるのである。
民進チームは何度も「30年4月開学が出来なければリセットか」を確認した。4月開学にこだわらず、30年度内であれば9月入学ということもありうる。ウルトラCだ。
30年4月とおしりを切った総理は、まさか審査保留などということがあるとは思わなかったのだろう。
文科省の役人は回答に苦しみ、「制度として前提にしていない・・・」と顔を赤くした。
〜終わり~