庶民の生活を守るのか、それとも外資に むしり取られるのか ― 任期満了に伴う横浜市長選挙がきょう、告示された。
カジノ誘致に反対し中学校の給食実現を掲げる前市議会議員の伊藤ひろたか(市民連合・共産推薦=39歳)は、桜木町駅前で第一声をあげた。
広場を埋めた聴衆の最前線で、祈るように伊藤を見つめる母親たちの表情は、山本太郎を参議院に送り出した2013年の参院選挙を思い起こさせた。
「放射能から守りたい」「満足に食べさせたい」。子供の健やかな成長を願う母親の思いは、いつの世になっても変わらない。
現職で3期目を目指す林文子(71歳)はカジノ推進で「家庭弁当」を基本とする。自民・公明・連合という大政翼賛会が推す。
林は横浜駅西口で街頭演説をしたが、カジノには一言も触れなかった。応援弁士には三原じゅん子(自民)、佐々木さやか(公明)に加えて牧山ひろえ(民進)の姿があった。
政治家になる前トップセールスマンだった林は、企業誘致の実績を誇らしげに語った。住民の生活に密着した話は一言もなかった。
応援弁士たちは「林市長が待機児童ゼロを成し遂げた」と称賛したが、粉飾であることが広く指摘されている。
中学校に学校給食がない大都市は、大阪市と横浜市とされてきた。だが、その大阪市もとうとう学校給食に着手した。
文科省が平成27年度5月現在で明らかにした「都道府県別学校給食実施状況」で神奈川県は全国ワーストワンの25.7%だ。横浜市が数字を押し下げている。
千葉県は100%、東京都も98%。給食を実施できない理由が見つからない。
カジノで業者や自治体が潤っても、街は殺伐となり、庶民は財産をバクチで巻き上げられる。
一方、給食は家庭の負担を軽減し、貧困家庭の子供が ひもじい 思いをせずに済む。貧困化が進むのは、横浜市とて例外ではない。
政治は誰のためにあるのか。日本最大市の市長選挙は根源的な問いを突き付けているようだ。(敬称略)
~終わり~
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