「殺人団体の革マル派が浸透しているJR総連、JR東労組から枝野(幸男)議員が800万円の献金を受けている。由々しき問題ではないか」―
10月30日、安倍首相が衆院予算委員会で絶叫した直後、総務省に民主党の田城郁参院議員(比例区)の政治団体(参院比例区第78総支部)に関する情報開示請求が出された。総務省は請求者を明らかにしていない。
請求内容は平成23年、24年分の少額領収書についての情報開示だ。
田城議員は安倍首相が問題視するJR東労組の組織内議員だ。保守系の週刊誌が喜んで飛びつきそうな対象である。
11月4日、総務省から情報開示命令を受けた田城議員の政治団体が領収書を調べたところ、平成23年~平成25年の3年間で1,100万円の業務上横領が見つかった。
横領したのは田城議員の公設第2秘書である安川登氏(55歳)。田城議員は22日、安川秘書を業務上横領罪で東京地検に告訴した。安川氏は8月末で事務所を退職している。(以上、田城議員の記者会見による)
安倍首相は先の選挙期間中、枝野幹事長の地元(埼玉5区)に乗り込んだ。
産経新聞によれば前日、安倍首相は「ありったけの日の丸の小旗を用意しろ。過激派の支援を受ける枝野幸男の地元に日の丸を はためかせる んだ」と周辺に指示した。当日、大宮駅前は日の丸の小旗で埋め尽くされた。(以上、産経新聞より)
衆院予算委員会で革マル派とからめて枝野幹事長を罵倒した直後に、JR東の出身議員に情報開示請求をする。それも少額領収書の。
安倍首相周辺は仇敵の枝野幹事長を叩くための足場を作ろうとして、JR東出身の田城議員を叩こうとしたともとれる。
田城議員は沖縄基地問題、広島の平和運動、ヘイトスピーチ問題などに熱心に取り組むリベラル派議員である。安倍首相にとっては気に入らないタイプの政治家だ。
公安事件につきまといがちな こじつけ だが、保守系週刊誌や右系ネットメディアの扇動に乗せられないよう注意深く読み解く必要がある。
開示請求は田城議員の他に原発の再稼働に反対する衆院議員などに対しても出されていた。猫の手も借りたい選挙期間中だった。