土井たか子氏からバトンを受けて、ちょうど10年間社民党の顔として活躍した福島みずほ党首が、きょう辞任した。
午後5時、東京・永田町の社民党本部で開かれた辞任会見には大勢の報道陣がつめかけた。「選挙は結果責任。1議席しか当選させることができなくて非常に残念。敗北の責任をとって党首を辞任します」。福島氏は辞任の理由を明らかにした。
福島氏は2003年秋、社民党の党首に就任。民主党との連立政権に参加し、内閣府担当大臣に就任したが、辺野古移転問題で基地反対の立場を貫いたため大臣を罷免された。連立を離脱した後も、離党者が出るなど福島党首下で社民党の勢力は退潮傾向にあった。
「10年間よくぞ持ってきた。社民党を必要だと思った皆さんが生き残らせてくれた。新陳代謝が課題だと思う」と党運営の難しさを語った。
「憲法9条を変えさせない、反TPP、脱原発、雇用とくらし。まさに社民党の出番だ。今後は党再生のために全力を尽くす。2015年の統一自治体選や次の参院選までに候補者擁立、女性や若者を育てる候補者塾をやりたい」
野党の一部で合流機運があるなか、他党との連携、合流の可能性を聞かれると「合併、統合は考えていない。統一会派については今日、山本太郎さんと会談した。野党結集、連携できるところでしっかりやっていく」。
福島氏の名で思い出すのが非正規労働問題の取り組みだ。「グッドウィルの二重派遣」「派遣切り」などが社会問題となっていた08~09年頃、厚労省との交渉でいつも先頭に立って戦っていたのが福島氏だった。彼女に助けられた非正規労働者は数え切れないほどいる。
「自民党の圧勝で労働法制緩和の嵐が本格的に吹き荒れようとしているが、今党首を辞めるということで心残りはないか?」
筆者が質問すると、福島氏は清々しい表情で次のように答えた―
「国会議員でありつづけるし、戦っていこうと思っている。現場の様々な人と強力にタッグを組む。私も自由になった分、より自由にフットワーク軽くやっていく。玄海、伊方原発にも行きますよ」。
憲法改正、TPP、原発再稼動。どの政策をとってみても、自民と民主に大差はない。野党結集しようとかいう民主右派、みんな、維新もカレーライスかライスカレーかわからないくらい対立軸が見られない。
かつて社民党のことを「オムライス党」と呼んだ福島さんには、「オムライス野党連合」をぜひ実現してほしいものだ。