“口先番長”こと前原誠司外相は6日夜遅く、記者会見を開き辞任を表明した。前原氏はあくまでも辞任の理由を「(政治資金規正法で禁止された)在日外国人からの政治献金」とした。
外相を辞めざるを得なくなった本当の理由は、暴力団のフロント企業からの献金が発覚したからではないかと取沙汰されている。企業舎弟からの献金問題は、4日の参院予算委員会でも追及された。
記者会見で筆者は上記の事実を挙げたうえで次のように質問した――
「外相はフロント企業経営者のS氏と6~7年前知り合った、と言っている。そのS氏は6年10か月前に(脱税)で逮捕された。1審、2審とも有罪。そう言う人物であると知りながら蓮舫(行政刷新)大臣や野田(財務)大臣にS氏を紹介したのではないか?」
前原氏は「まったく知らなかった。(辞任の)真相ではない。ただ誤記載をしたことは確か」と否定して見せた。
もし蓮舫大臣に本格的に飛び火するようなことにでもなれば、菅政権は瓦解するだろう。
記者クラブメディアからの質問は急所を外すものばかりだった。意図的なのだろうか。「菅総理からの慰留は?」「後任(の外相)は誰に?」「外相としてやり残したことは?」・・・前原氏が膝を叩いて喜びそうな質問が続出した。
菅政権と利害を共にする記者クラブメディアのおかげで真相に迫られずに済みそうだからか。前原外相は終始サバサバした表情で顔色も良かった。『誠司とカネ』の真相はこのまま闇に葬られるのだろうか。
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