制止も聞かずUst中継を続け、楯突くフリー記者を天下の記者クラブが許すはずはなかった。7日午後、国権の最高機関たる記者クラブ総会が開かれお裁きが下った。当然欠席裁判である。夕方、畠山氏の携帯電話に幹事社(共同通信)の藤田康文閣下から連絡があった。
お沙汰は次の通り―
1)フリーの動画撮影はひき続き認めない。
2)記者クラブ問題について繰り返し質問がなされることは極めて遺憾。
3)議事(記者会見)の円滑な運営に協力いただけない場合は記者会見への参加を認めない。
質問権のないオブザーバー資格の撤廃については総会で議論さえしなかった、という。
お裁きの要点を分かりやすくまとめると “お前ら、記者クラブに対してこれ以上ガタガタ言うと出入り禁止にするぞ” というものだ。
この日午前の記者会見で畠山氏が行った質問が、記者クラブの逆鱗に触れたのである。畠山氏の質問は次の2点――
▼任意団体の記者クラブが記者室を家賃無料で使用しているのは、公有財産の目的外使用にあたり、憲法89条に違反しているのではないか。
▼公的機関から便宜供与を受けて国民の知る権利(参加資格、質問権の制限)を阻害し続ける記者クラブ制度についてどう考えるか。
片山総務大臣は「国民の皆さんは編集機能を持ったマスメディアを通じて情報収集をしている。記者クラブに一定の便宜供与をすることは合理性がある」と答えた。
筆者は元鎌倉市長の竹内謙氏が記者室をオープン化した例をあげて片山大臣に質問した―
「竹内氏は誰でも彼でもというわけではなく、報道に携わっている者であれば記者室を利用できるようにした。大臣が仰るように編集機能を持った人たちです。こうした方が大臣の政策を広く国民に報せることができるのではないか。新聞離れ・テレビ離れが進んでいることを考えたら大臣はタコつぼに向かって話しているようなものだ」。
片山大臣は「通信媒体も社会も変わり、いつまでも今まで通りで未来永劫いいとは思いません」と述べるに留まった。
筆者の言辞も記者クラブのプライドをいたく傷つけたのであった。畠山氏の質問と共に冒頭のお裁きが下った理由である。
“不都合なことを指摘されないように、指摘されても外に漏れないように” これが記者クラブの基本哲学だ。ご政道を犯したフリー記者らを出入り禁止にすることは、彼らにしてみれば朝飯前である。
記者クラブメディアを言論機関であるなどとはユメユメ思ってはいけない。言論弾圧機関なのである。
(つづく)
※「出禁」を覚悟で畠山氏が撮影・中継した映像と音声は下記URLで