加計ありきで開校を急がせた「総理のご意向」―― 昨年9月26日、内閣府がそれを文科省に通告するより半日も前に、今治市役所の誘致担当責任者が市議会議員に「平成30年4月開学を目指して…」と説明していたことが分かった。
この日は内閣府審議官が「官邸の最高レベルが言っていること」として文科省に「30年4月開校」を迫った日でもある。
「ご意向文書」の存在を明らかにした文科省の前川喜平・前次官は「内閣府の回答(上記通告)は最後通告だった。与党の議論も要らないということだった」と振り返る。(25日、弁護士会館で記者会見)
内閣府審議官が「4月30日開学」を文科省に催促したのが、9月26日午後6時30分。ところが、加計誘致を主管する今治市企画課が市議会議員に説明したのは、半日近く早い同日の午前9時58分だった。
朝一番の会議であるから、今治市と内閣府は少なくとも前日夜までに示し合わせていたことになる。加計学園のために今治市と内閣府が2人3脚で計画を進めていたのだ。
あと1年半に迫る「30年4月」を開校の期限としたのは、加計学園に絞り込むための条件だった。
前川前次官は「文科省で審査しない限り作れない。『いつ大学を作る』は、本当は言えない。文科省が認可を行う事業だから」と述べ、文科省の頭越しで安倍首相と内閣府が、加計学園獣医学部の開学スケジュールを決めたことに悔しさをにじませた。
「総理のご意向」が示された9月26日、今治市議会の国家戦略特別委員会が開かれた。
自民、公明などの市議会議員11人が出席した。うち2人は日本会議の会費を政党活動費から払っていたことが、情報公開請求で明らかになっている。
同委員会はこれまでに16回開かれているが、うち4回は秘密会議という代物だ。「総理のご意向」が内閣府から文部省に伝えられた9月26日の委員会は、公開となった。
市民一人が傍聴し議事録も残っている。加計誘致を主管する企画課の秋山直人課長が「平成30年4月の開学を目指して、スピード感を持って臨んでまいりたいと考えております」と委員会の市議会議員たちに説明した。
傍聴していた今治市民の山本征洋さんは筆者に「秋山課長はすでに決まったような口調で話していた。加計ありき、安倍ありきで進んでいるのが手に取るように分かった」と語った。
~終わり~
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