野党共闘が進まない理由のひとつに、候補者が当選した後、どの政党に所属するかでモメていることがある。
当選する確率の高い候補ほどモメ具合も大きくなる。野党共闘がうまく行かねば有力な候補を みすみす 落選させることになる。自公にとってこれほど喜ばしいことはない。
この愚を避けるために水面下で工作されているのが、「確認団体方式」だ。永田町きっての選挙通が明かした。
確認団体の名前をかりに「政権交代党」としよう。候補者は「政権交代党」から立候補し、当選後も「政権交代党」の所属議員となるのだ。
この方式であれば「あの党に持って行かれるのが嫌だからウチは協力しない」はなくなる。
既存の野党各党にとっては うま味 がなくなるが、野党全体で一議席でも多く取るには有効な方式だ。
1989年に行われた参議院選挙の「連合参議院」がこの方式だった。社会党、民社党、公明党(当時は野党だった)、社民連が推薦し当選した議員11名が「連合参議院」に所属することになり、与野党逆転の一大原動力となった。
土井たか子社会党委員長の名文句「山が動いた」を生んだ選挙だった。
「政権交代党」方式を衆院選に向けて用意できれば、安倍首相への大きなプレッシャーとなり、簡単に解散できなくなる。
野党陣営は参院選挙に集中し、次は衆院選に向けた「政権交代党」を動かせばよいのだ。衆院は1人区が295ある。野党共闘の効果は小さくない。
「政権交代党」に野党各党を引っ張って来る策士あるいは触媒の出現が待たれる。
~終わり~