政界とマスコミにとって最も不都合な男、山本太郎議員が今朝の「NHK日曜討論」に初出演した。それも編集のきかない生放送だ。
きょうの日曜討論は「拡大版(※)」ということで「新党改革」の荒井広幸代表らと共に出演した。
「生活の党と山本太郎となかまたち」の山本太郎共同代表は、自民党の茂木敏充・選挙対策委員長、公明党の斉藤鉄夫幹事長代行ら与野党の幹部と「地方創生」「原発再稼働」「安全保障」などについて論を交わした。
司会の島田敏男解説委員は「『生活の党』の山本太郎さん」と紹介した。
山本議員の真骨頂が発揮されたのは「原発再稼働」についての発言だった。
「安倍総理はオリンピックを招致するためにアンダーコントロールとウソをついた。汚染水はもれ続けている。子供たちが危ない。食品検査、ストロンチウムの検査を至急して頂きたい」。
官邸が目をむいて怒りそうなコメントが山本議員の口から飛び出した。マスコミは記事にしないだろう。いや、できないだろう。
NHKは官邸から叱られないだろうか? 「何であんなこと言わせたんだっ」と。
原発問題以外でも、山本議員はタブーに踏み込んでいった―
「少子高齢化対策というのなら最低賃金をあげるべき」「消費税を5%に戻し、(最終的には)廃止する」(地方創生についての議論で)
「イラクに派遣された自衛隊員のうち28人が自殺している。若者がこれ以上生きづらくなることを決定しないで頂きたい」。(集団的自衛権についての議論で)
番組終了後、山本議員に感想を聞いた―
「大きく脱線して排除されないように気を付けた。一回だけで(NHK出演を)既成事実化され、伝説にされたくなかった。継続的に出演することが大事」。山本議員はセーブして見解を述べたことを強調した。
「(安倍首相と記者クラブが好んで会食する)寿司の話もしなかったし」とギャグを飛ばす余裕も見せた。
タブーを嫌い真実に目をつぶるNHKが、今後も山本議員を出演させるか、どうか。この国の未来を左右すると言っても過言ではない。
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「拡大版」でない場合、「生活の党と山本太郎となかまたち」は公職選挙法にもとづく政党の構成要件を満たしていても、NHKの基準は満たしていないため出演できない。改善を求めて同党がNHKに抗議した経緯がある。
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