自らも東京8区で石原親子と熾烈な選挙を戦っている山本太郎候補が10日、野田首相のお膝下(千葉4区)を急襲した。野田氏が比例重複で逃げ道を作らざるを得ないところまで追い詰めた、「未来の党」の三宅雪子候補を応援するためである。
原発反対を口にしたために仕事を干された山本候補にとって、原発を止めようと戦っている三宅候補は同志なのだ。
人気俳優が登場することもあり、演説会場のJR船橋駅と西船橋駅前には近隣の選挙区からも有権者が訪れ、集会の趣となった。
山本氏は脱原発への熱い思いを込めて応援演説をした―
「民主党はメディアと一緒になって人々を被曝させている。野田総理の首は間違いなく獲らなければならない。三宅さんが必ず野田総理の首を獲ってくる。皆さん三宅さんを後押ししましょう。この首を獲らなければ日本の子供たちの未来はない」。
山本候補が船橋に来ることをネットで知り流山市から足を運んだという主婦に聴いた。1歳7か月の子供を乳母車に乗せていた―
「前回(09年)まで選挙は面倒だから行かなかった。『3・11』の直後に子供が生まれた。子供を守るために政治を考えざるを得なくなった。ツイッターを見て三宅さんのイメージが180度変わった。メディアでは変な人というイメージが作られている。三宅さんも太郎さんも真っ当なことを言っている」。
比例重複で逃げ場所を作り部下には「命を賭けて戦え」と命じる野田氏と自らの選挙区を空けてまで同志の応援に駆け付ける山本氏。どちらが政治家として我々の生活をあずけるに値するだろうか。
《文・田中龍作 / 諏訪都》