民主党代表選挙は、菅陣営につくか、それとも小沢陣営かで迷っている議員が50人前後はいると見られている。今のところ小沢氏がやや優勢とはいえ、彼らの動き次第では形勢が逆転する可能性が十分ある。
どちらに投票するかを決めかねている議員たちが異口同音に言うのが「(代表選は)究極の選択だね」だ。小沢さんは、能力は優れているが独裁的。菅さんは、自由にものが言えるが無能。どちらが勝利しても喜べない。まさに「究極の選択」なのである。
こうした情勢の中、中間派の議員たちに判断材料を提供しようという「討論会」が来週にも開かれる。「討論会」には菅、小沢両候補本人が出席する。主催は同じく中間派で実力派の桜井充議員や松井孝治・前官房副長官らで作る「政策論議による代表選を実現する会」だ。
討論会のコーディネーターは立教大学の山口義行教授が務める。両候補に対する議員たちの質問をコーディネーターに託してぶつける。質問内容は「マニフェストの総括」「政治主導の確立」「社会保障と消費税」「日米関係」など。2時間近くにわたって両候補の政策をみっちりと聞く。
中間派議員にとって「小沢さんか、菅さんか」は極めて難しくて悩ましい選択肢のようだ。財務官僚出身のある議員は「僕は菅さん支持」としながらも次のように話す――
「予算編成で小沢さんの力量を見せつけられた。業界の反対を押し切っても税金を掛ける。一方で、土地改良区のような強力な団体への補助金を削る。小沢さんが言ってるような『予算の組み替え』はできるんですよ。小沢さんと菅さんじゃ政策面で比べものにならない。小沢さんが何十倍も上」。
彼は、これほど小沢氏を評価しながらも菅氏に投票するのである。「やっぱりね、首相がコロコロ代ってはいけないから」と理由を説明した。
討論会のもようはインターネット中継される。しかも討論を進めるのは記者クラブではなく有識者(立大・山口教授)だ。新聞・テレビによる「反小沢バイアス」がかからない状態で中間派議員がどんな判断を下すのか興味津々だ。
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