【南米ボゴタ発】「拷問の果てに政治犯は死んでいった」元ベネズエラ軍人

サンタフェの売春窟に立つ女性のほとんどはベネズエラ人のようだ。=12日、ボゴタ市内 撮影:田中龍作=

ベネズエラから逃れてきた約300万人(推定)がコロンビアで暮らす。

有名売春街のサンタフェでは日中から「立ちんぼ」が出る。取材車のドライバーは「(売春婦の)ほとんどがベネズエラですよ」と話した。

「コロンビアからベネズエラへ」送金代行業者の看板が、売春婦たちの事情を偲ばせた。

送金代行業者の看板。=12日、ボゴタ市内 撮影:田中龍作=

「七番通り」と呼ばれるボゴタの繁華街に行けば、ひしめくようにして露店が並ぶ。ベネズエラ人の店が目につく。

精悍な顔をした男は、マッサージクリームを売っていた。元ベネズエラ海軍兵士のグレゴリー氏(仮名47歳)だ。

10年前、ベネズエラを出国した。途中までバスで行き、国境の町ククタ(コロンビア側)まで3日間歩いた。

氏は母国を脱出した理由を話した―

「政治犯収容所は見聞きするのも嫌だった。拷問は軍がやっていた。電気ショックを与えたり、ビニール袋を頭に被せたり、生ヅメを剥がしたり。皆、拷問の果てに死んで行った。それが約1000人だ。軍は罪もない人々を拷問し殺した」。

元軍人は祖国であったことを辛そうに語った。=12日、ボゴタ市内 撮影:田中龍作=

「脱出を決心したのは要人警護への人事異動だった。『命令に従わなければ殺す』と言われたからね」。

要人を警護すれば、要人の秘密を知るだろうから、いずれ消される。氏はそう考えたようだ。

「コレクティーボという民兵組織がある。コイツらは警察より怖い。密告者を放ってる。皆、迂闊なことは口にできない」。

別れ際、グレゴリー氏は田中に忠告してくれた。「カラカス(ベネズエラ首都)に行ったら政治向きのことは話すなよ」と。

 ~終わり~

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