五輪と電通のため 代々木公園の古木・巨木を切る東京都

作業員がチェーンソーを入れると枝から木の粉が飛び散った。=25日、代々木公園 撮影:田中龍作=

 ケヤキ並木から歩道橋をまたいで中央広場に入ると、「ウォーン」というケタタマシイ音が耳に飛び込んできた。

 音を立てているのはチェーンソーだった。作業員が古木・巨木の枝にチェーンソーを入れると木の粉が飛び散った。

 テロに遭っているようだった。「環境テロ」とでも言うのだろうか。

 代々木公園は東京都立である。田中は別の作業員に尋ねた。「私は納税者です。何のために木を切っているのか?」と。

 作業員は「アソコに聞いてくれ」とアゴでしゃくった。巨大な幹には案内板が巻き付けられていた。問い合わせ先は「東京都オリパラ準備局」とあり、電話番号も書かれていた。

トラックの荷台は切断した木ですぐに一杯になった。=25日、代々木公園 撮影:田中龍作=

 オリンピックのパブリックビューイング会場を設営するため代々木公園の樹木が切られる。SNSで知っていたが、当事者に確かめる必要があった。東京都オリパラ準備局に電話取材した。

 電話対応した担当者は「伐採ではなく剪定」としたうえで、木を切っているのは「ライブサイト(パブリックビューイングの巨大スクリーン設置)の関係で、車が入るのに危なくないように枝葉を切り落とす」と説明した。

 パブリックビューイングを運営する業者はどこかと聞くと、「電通」と答えた。

 感染防止を謳うオリンピックで大勢の人を集めるパブリックビューイングをするのは危険ではないか?と質問すると、当初の計画より減らすことになろうとの答えだった。

 木を切っていたのは直径約50メートルの大きなエリアで、フェンスで囲われていた。こうしたエリアが36か所もあるのだ。これらのエリアも木を切るという。

 オリパラ準備局は「通路が通る時に危なくないようにするため」と日本語にならない説明をしたが、公園内はれっきとした車道が縦横に走る。全く解せない。

写真の奥までオレンジ色のフェンスが続いていた。ひとつひとつのエリアが広い。それが36カ所もある。一体どれほどの数の木を切るつもりなのだろうか。=25日、代々木公園 撮影:田中龍作=

 黒澤明の晩年の作品『夢』(製作スピルバーグ)を思い出す。宅地開発で山を切り開いた建設業者が、夢でうなされる。樹木の霊から「俺たちを切っただろう」と責められて。

 五輪が終わってみたら、代々木公園の自然が見るも無残に破壊されている。恐ろしい夢を見そうだ。

   ~終わり~

    ◇
『田中龍作ジャーナル』は新聞テレビにない視点でニュースを伝えます。コロナの波を受け運営が苦しくなっています。

田中龍作の取材活動支援基金

■郵便局から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
記号/10180 番号/62056751

■郵便振替口座

口座記号番号/00170‐0‐306911

■銀行から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
店名/ゼロイチハチ・0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)
店番/018 預金種目/普通預金 口座番号/6205675 口座名/『田中龍作の取材活動支援基金』

■ご足労をおかけしない為に

ゆうちょ銀行間で口座引き落としができます。一度窓口でお手続きして頂ければ、ATMに並んで頂く手間が省けます。印鑑と通帳をお持ち下さい。
記号/10180 番号/62056751 口座名/タナカリュウサクノシュザイカツドウシエンキキン

連絡先
tanakaryusaku@gmail.com
twitter.com/tanakaryusaku

オリンピック