【ベネズエラ・カラカス発】HIV対策より兵器購入 政府無策でエイズ感染者増える 

HIV検査にかけられる血液。政府が検査を普及させなかったことが感染者を増やした。=27日、カラカス市内Accion SoLidariaで 撮影:田中龍作=

HIV検査にかけられる血液。政府が検査を普及させなかったことが感染者を増やした。=27日、カラカス市内Accion SoLidariaで 撮影:田中龍作=

 ベネズエラのHIV感染者は保健省に登録しているだけで約7万人。登録外は約20万人に上る(HIV患者の救済にあたるNGO、Accion SoLidariaまとめ)。

 Accion SolidariaによればHIV感染者の増大は政府の無策に尽きる。

 財政難のため政府が対策を取ってこなかった。エイズ予防の広報を怠り、HIV検査を普及させなかった。

 政府に はびこる 汚職が、わずかながらのHIV対策費を食い物にした。HIV検査やコンドームを普及させるはずの資金を、政治家や役人がポケットに入れたのである。

 HIV感染者は増える一方だった。それでもマドゥロ政権はロシアや中国から兵器を買い漁った。AIDS対策よりも兵器購入だったのである。感染者はさらに増えた。

 子どもが満足に食べられなくなり、年寄りの年金が危うくなっても米国製の兵器を爆買いする、どこかの国の首相と同じだ。
 
 国が貧しくなると売春婦が増える。古今東西変わらぬ法則である。ベネズエラも同様だ。HIV感染者を増やす原因のひとつとなった。

 HIV・エイズは発症しても薬で抑えることができる。だが、ベネズエラでは薬も不足している。コンドーム1箱の値段は6ドル。1ヶ月の最低賃金である。

 このままハイパーインフレとモノ不足が続けば、HIV感染者は爆発的に増える恐れがある。

海外各国から寄付されたエイズ治療薬。国際社会の善意がなかったら、エイズ患者はもっと苦しんでいただろう。=27日、カラカス市内Accion SoLidariaで 撮影:田中龍作=

海外各国から寄付されたエイズ治療薬。国際社会の善意がなかったら、エイズ患者はもっと苦しんでいただろう。=27日、カラカス市内Accion SoLidariaで 撮影:田中龍作=

  ~終わり~

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ジャーナリストの質問が気にいらないからと言って身柄拘束する南米の独裁政権。記者の追及が不都合だからといって質問妨害する首相官邸。

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