スリランカ「難民収容所を解放」のまやかし

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タミルの人々の安否が気がかりだ。(スリランカ最北部のジャフナで。写真=筆者)

 スリランカ政府は21日、反政府武装組織LTTE(タミル・タイガー)との内戦が終結した直後から「避難民キャンプ」に収容していたタミル人13万5千人を来月1日から一時解放することを明らかにした。

 同国北部のワウニア県にある「マニック・ファーム難民キャンプ」の劣悪な生活環境をめぐって、国連、EU、人権団体などから寄せられる厳しい批判を交わすのが狙いだ。19日には国連のジョン・ホルムス人道支援担当事務次長がキャンプを視察し、「タミル人を帰還させるよう」強く求めた。

 ところがスリランカ政府は、タミル人の帰還は1日あるいは2日間に限定する、としている。その後は別のキャンプに再収容する方針だ。

 生まれ育った地への永久帰還は認められない。「まやかし」の解放である。スリランカ政府は再収容する理由を「LTTEとつながりがないかをスクリーニングにかけるため」と説明する。

 明らかな口実だ。タミル人地域では最北部のジャフナ県を除くと、内戦が最終局面を迎えるまでLTTEの治世が続いていたのである。裁判所、教育委員会、警察などあらゆる行政機関をLTTEが運営していた。これでLTTE と関わりを持たないタミル人を探すのは至難の業だ。

 多くの親は少年兵を求めるLTTEに子供を誘拐されたり、差し出したりしていた。れっきとした被害者でありながら、スリランカ政府に「LTTEとつながりがある」と判定されればそれまでだ。

 キャンプにジャーナリストや人権団体が入ることは認められないので、実態は明らかにされていない。医療支援のために入った医師などから、キャンプ内のようすが漏れてくるだけだ。

 8月から6週間に渡ってキャンプ傍の病院で診療を行っていた久留宮隆医師によると、上下水道の区別もないなど衛生環境は劣悪だ。医師の診察を受けることができる収容者も限られている、という。実態は強制収容所に近い。

 内戦の最終局面で政府軍に追い詰められたLTTEは、同族であるタミル人の非戦闘員を人間の楯にとって防戦した。「マニック・ファーム難民キャンプ」に収容されているのは、人間の楯とされた人々だ。

 当初は30万人が同キャンプに詰め込まれていた、とされている。政府の発表によれば現在の人数は、13万5千人だ。16万5千人はどこに消えたのだろうか。別のキャンプに移されたと見る向きもあるが、実態は闇の中だ。

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